2016年、だいぶ、春めいた景色、香りが漂う季節となりました。さて、今回からの章は「インバウンド」大作戦というテーマで現況のながの周辺等をリサーチしながらコメントして行きたいと思います。そもそもインバウンドとは、「内に向かう」対するアウトバウンドとは「外に向かう」という形容詞で、通常、「本国行きの、本国に入る」「外国行きの、海外に出る」という意味合いで使われ、特に、ホテル、旅行業界では、インバウンドとは、「外国人旅行者、観光客を自国へ誘致することの意」で使用されており、政府でもそのモードを数年前から推進している状況です。特に、そのピークは現在、2020年の東京五輪に定められていると思われますが、昨今の長野県の現状では、ウインターシーズンを中心にアジア、オセアニア特にオーストラリアの方々が白馬、野沢、山之内と激増している事が注目されております。この辺にフォーカスし、現場を取材しながらプレゼンして行きたいと思います。
専門家コラム
3,渉外相続
渉外相続
二国以上が関係する相続に関してはその準拠法(よりどころになる法)が問題になり、
A相続分割主義(動産と不動産を区別して考える方法)は、動産に関しては被相続人の住所地法を採り、不動産に関しては不動産所在地法を採用する国と
B相続統一主義(属人法の考え)は動産も不動産も単一の法、被相続人の国法で規律する国の、二通りのパターンがあります。日本、韓国等は統一主義で、アメリカ、フランス等は分割主義になります
Aの国のタイプで行くと、例えば被相続人がアメリカ人の場合、 不動産についてはそれぞれの国の所在地法に拠り、動産は全て住所地の法に準拠するようになる。
For Example 例えば、日本人に妻子を持ち日本で在住していたアメリカ人が亡くなった場合、アメリカはAにあたるので、動産に関してはアメリカの動産も含めて全て日本法で対応し、不動産に関しては、アメリカの不動産はアメリカの法で日本の不動産は日本法で見る事になる訳です。
以上、出生、結婚、相続、3点の渉外民事を見るように国際私法は、それぞれの国の長い間の慣習、主義から規律されている方を尊重しつつ、適度にミックスしてい行く手法を取りことになり、各国の文化や背景のカラーが出て一応でなく興味深い側面があります。
2,国際結婚
国際間の婚姻の場合、国際私法の中心的法律である、法の適用に関する通則法24条により、婚姻成立の実質的要件(適齢期に達している、重婚でない、近親婚でない等)は男女お互いの国の法律を準拠する(日本人であれば民法)ことになり、婚姻成立の形式的要件(結婚の儀式、婚姻の届け出等)は婚姻挙行地即ち結婚する国の方式による、とされています。
For example 例えば、日本人が日本でアメリカ人と結婚する場合は、二人の署名した婚姻届けを市町村役場に出し、受理されれば成立ですが、アメリカで同じ二人が結婚しようとしたら、マリッジライセンス(結婚許可書)を州で取り、結婚式を挙げ、その場でマリッジライセンスに保証人と立ち合い人にサインをもらい、役所に提出して結婚成立という事になります。
1,出生と国籍
国際結婚の場合、それぞれの夫婦の国籍及び子供の出生地によって2,3の複数の国の法律が関係してくることになるわけです。
国際間における出生と国籍の在り方については、大きくは2つ、血統主義と生地主義、さらに血統主義は父母血統主義、と父系血統主義に分かれ、結局3タイプに分かれると考えられます。
血統主義は親の国籍がそのまま子の国籍に反映するもので、生地主義(アメリカ、ブラジル等)は両親の国籍に関係なく子供が生まれた国の地をその子の国籍とするものです。
さらに日本(国籍法2条準拠)やイタリア、フィリピン等は父母両系血統主義であり、両親のどちらかが日本人であれば、日本国籍を得るに対し、エジプト、イラン等は父系血統主義であり、父親の血統のみを国籍として採用するものです。
そして、実際には結婚後の子供は、夫婦間の組み合わせの中で子供の国籍が決まることになります。
For example例えば、
1、日本で生まれた、日本人の父とイタリアの母の間の子は、出生時日本国籍とイタリア国籍の両方を取得
2、日本で生まれた日本人父とエジプト母の子は日本国籍のみを取得し、
3、アメリカに日本人父と母の間で生まれた子は、アメリカと日本国籍を取得することになる。
将来的に、国籍を一つに選択して行く事になるにせよ、このように出生の時点で各国の主義と規定の組み合わせにより出生時の国籍が決まるということになります。このような国際間の法律の当てはめ、調整は国際私法の適用的方法となるわけです。
国際私法について
It became in July !! 珍しく梅雨らしい、しとしとした感じの日となりました。これからマイコラムでは、数回に渡って、国際私法について勉強してみたいと思います。国際私法とは、国際法が国家間同士の関係を定める国際公法とすれば、その私法にあたり、結婚、離婚、出生、相続等の民事的、日常的な事柄についての国際間の規定ということになります。が、国際法が条約や国際慣習等により各国共通の法体系が存在するに異なり、国際私法は、そのような模範となる確立された法規範は存在せず(各国の文化の歴史的あるいは、宗教的バックグラウンドからの相違等の理由で)、各国がそのような国際民事手続きに関して、対応する国内法規を整備し規律している現状であります。つまり、2国間の当事者のその事象(結婚等)に関するそれぞれの国内法から合理的結論を生み出す為のルールが国際私法といえるでしょう。そして、国籍等の関係を含め、日本在留外国人が日本で生活する上でのベイスになる領域ですので、具体的な事例を挙げて検証して行きたいと思います。
次回は、出生と国籍について、勉強してみたいと思います。